CCO(Chief Customer Officer)とは?なるには?役割・スキル・キャリアパス

CxO

CCO(Chief Customer Officer:チーフカスタマーオフィサー)とは、組織のカスタマー部門を統括し、顧客中心の視点から企業経営を行う役割を担う責任者のことです。最高顧客責任者の立場から、より優れた顧客体験を実現するビジョンを経営層と共有し、実行を推進することが主な使命となります。

CCOへのキャリアパスとしては、CS部門、マーケティング部門、コンサルティング会社などで顧客対応やデータ分析の経験を積んだ後に就任するケースが多くみられます。

この記事では、そんなCCOの役割やスキル、求人例などをわかりやすく説明します。

Chief Customer Officerとは

Chief Customer Officer(チーフカスタマーオフィサー:CCO)は、経営に関わる役職の一つです。日本語で「最高顧客責任者」と訳されます。優れた顧客体験(カスタマーエクスペリエンス)を提供することで顧客の満足度を最大化し、顧客との関係を強化することに焦点を当てて業務を行います。CCOは通常、組織全体における顧客獲得戦略の策定や実行を担当します。具体的な役割には、顧客関係管理(CRM)の標準化、サービス提供やサポート品質の改善、フィードバックの収集と分析、LTVの向上などが含まれます。CCOは、ユーザーやファンと長期的な関係を構築し、彼らから信頼を得ることで、企業の収益性や市場競争力を向上させることを目指しています。

CRMとは

CRM(Customer Relationship Management)は、顧客関係管理の略語です。CRMは、顧客との関係を構築し、強化し、維持するための戦略、プロセス、テクノロジーを指します。企業や組織は、CRMを使用して顧客に関する情報を収集し、分析し、活用することで、顧客との関係を改善し、ビジネスの成長や利益の向上を目指します。

そして、CRMシステムは、顧客との接点やコミュニケーション履歴、購買履歴、関心や嗜好などの情報を管理するためのツールです。これにより、カスタマー担当者は顧客のニーズや要求を理解し、個々の顧客に合わせたサービスや製品を提供することができます。CRMシステムは、営業、マーケティング、顧客サービスなどの各部門が顧客との関係を効果的に管理し、統合された顧客体験を提供するのに役立ちます。

Chief Customer Officerの役割

Chief Customer Officer(CCO)の主な役割は次のようなものです。

顧客戦略の立案と実行

強固な顧客基盤の構築にむけた戦略を立案し、全社的な顧客体験向上のプロジェクトをリードします。優れた価値提供を目指して、製品、サービス、プロセスを改善する施策を推進します。

顧客データの分析と洞察

顧客データを収集・分析し、市場の動向やニーズを的確に捉えることが求められます。そこから得られた洞察を基に、顧客対応の改善やマーケティング施策に活かします。

顧客対応の標準化と品質管理

顧客対応のプロセスと品質基準を設定し、全社で統一された高い顧客サービスの提供を推進します。社員教育にも関与し、顧客志向の企業文化の醸成を図ります。

顧客関係の構築と維持

重要顧客との関係構築とリレーションシップ管理に携わります。顧客の声を経営層へ直接伝え、顧客視点での意思決定を促します。

顧客ロイヤリティの向上

顧客満足度を高め、リピート購入やブランドに対する愛着を深める施策を立案・実行することで、顧客の生涯価値を最大化することが期待されています。

要するにCCOは、企業と顧客の橋渡し役として、顧客目線での経営の実現を主導する役割を担っています。

Chief Customer Officerのスキル

Chief Customer Officer(CCO)に求められる主なスキルは以下のようなものです。

顧客志向マインドセット

すべての活動の基盤となる顧客第一の価値観と顧客体験の重視。顧客視点で物事を捉え、顧客のニーズや課題を理解する力が不可欠です。

データ分析力

顧客データから有益な洞察を引き出すデータ分析力が求められます。定量データと定性データを組み合わせて分析し、顧客行動の背後にある動機を読み解く力が重要です。

戦略立案力

顧客データや業界動向を踏まえ、中長期の顧客体験戦略を立案できるビジョナリーなリーダーシップが必要とされます。

プロジェクトマネジメント力

部門横断的な顧客体験改善プロジェクトをリードし、スケジュール管理、リソース配分、リスク管理などを行う能力が求められます。

コミュニケーション力

顧客の声を社内に伝え、経営層を説得できる分かりやすいストーリーテリング力と発信力が重要です。また顧客との対話を通して信頼関係を構築する対人スキルも不可欠です。

チェンジマネジメント力

顧客志向の企業文化や新しいサービス基準を組織に浸透させるための改革推進力が求められます。

ブランド構築力

顧客の期待に応える魅力的なブランド体験を創出し、顧客ロイヤリティとブランド資産を高める力が必要とされます。

このようにCCOには、データ分析、戦略思考、プロジェクト運営、ステークホルダー・マネジメントなど、多岐にわたるスキルが求められる重要な役割です。

Chief Customer Officerの求人例

ここでは、Chief Customer Officer(CCO)を募集する求人の例を2つ紹介します。

求人1 – 小売業

仕事内容

  • 顧客体験戦略の立案と推進
  • 各事業部門における顧客サービス向上施策のリーディング
  • デジタル領域を含む全チャネルの顧客体験の統括
  • 顧客データ分析に基づく施策立案と意思決定
  • 社員の顧客志向マインド醸成のための教育プログラム立案・実行
  • 重要顧客との対話を通じた経営への提言

応募資格

  • 小売りや消費財メーカーなどでの顧客対応業務経験10年以上
  • マーケティングや顧客分析の実務経験5年以上
  • プロジェクトマネジメント能力と部門横断リーダーシップ
  • データ分析力とデータ主導の意思決定能力
  • 優れたプレゼンテーション力と説得力

求人2 – デジタルサービス

仕事内容

  • CX改革の企画立案と実行
  • 顧客インサイトを基にしたサービスデザインの推進
  • 各事業部門の顧客志向プロセス改革のリーディング
  • データガバナンス体制の整備
  • 重要顧客の窓口として経営層へ提言
  • 顧客満足度向上施策の立案と実行

応募資格

  • IT、コンサルティング業界などでの顧客エクスペリエンス改革経験
  • デジタル領域におけるサービスデザインの知見
  • データアナリティクスやデータ活用に関する専門知識
  • プロジェクトマネジメント能力と変革リーダーシップ
  • ビジネスセンスと戦略的思考力

以上が求人の例となります。要約すると、顧客志向経営を実現し顧客の視点から企業変革を推進する責任者としてのCCOが求められています。

Chief Customer Officerのキャリアパス

Chief Customer Officer(CCO)へのキャリアパスは必ずしも一直線ではありませんが、一般的には以下のようなルートがあります。

カスタマー部門からのルート

  • コールセンターや店頭での顧客対応業務から始まり、徐々に顧客サービス部門のマネジャー、部門長と昇格
  • 顧客とのタッチポイントを熟知し、現場主義の顧客理解を深める

マーケティング部門からのルート

  • マーケティング部門でブランドマネジャー、プロダクトマネジャー、マーケットリサーチャーとして顧客インサイトを蓄積
  • ビッグデータ分析、消費者行動分析、顧客ロイヤルティプログラムなどの経験を積む

コンサルティング会社・シンクタンクからのルート

  • CX戦略の立案やVOCプログラムの構築をサポートする顧客体験コンサルタントを経験
  • 様々な業界や企業の事例に触れ、幅広い知見を習得

営業部門や現場部門からのルート

  • フロントラインで顧客と直接対話する営業職や現場スタッフとして顧客ニーズを学ぶ
  • 顧客主導のビジネス展開の重要性を体得

これらのキャリアを経て、顧客志向の経営マインドセット、データ分析力、戦略立案力などを身につけ、CCOに就任するケースが多くみられます。ただし最近は、データサイエンティストや経営コンサルタントといった異なるバックグラウンドから直接CCOに抜擢される例もあります。

Chief Customer Officerになるには

Chief Customer Officer(CCO)になるためには、以下のステップを考慮すると良いでしょう。

カスタマー関連の経験を積む

販売、営業、マーケティング、CS(カスタマーサクセス)部門など、顧客と関係を構築し、接客やサービスを提供した経験を積むことが重要です。これらの経験を通じて、さまざまなニーズや期待を理解し、顧客中心のアプローチを実践するスキルを身につけます。

リーダーシップ経験を積む

カスタマー部門のメンバーをとりまとめ、組織内で顧客中心の文化を推進する責任があります。リーダーシップ経験を積むことで、チームを指導し、共感し、モチベーションを高める能力を養うことができます。

CRMや顧客体験の知識を深める

CCOになるためには、顧客関係管理(CRM)や顧客体験(CX)に関する知識を深めることが重要です。業界のトレンドやベストプラクティスについて学び、それらを実践することで、CCOとしてのスキルを向上させることができます。

組織内外でのネットワーキング

経営幹部として取り立てられるためには、組織内外でのネットワーキングが重要です。業界のリーダーや専門家とのつながりを築き、知識や経験を共有し、自身のキャリアを発展させることができます。

学歴や資格の取得

経営やマネジメントに関連する学位や資格を取得することも、CCOになるための一つの方法です。ビジネス、マーケティング、ITなどの分野で資格や認定を取得することで、自身のスキルや信頼性を高めることができます。

これらのステップを通じて、経験とスキルを積み重ね、組織内での信頼とリーダーシップを確立することで、Chief Customer Officerとしてのキャリアを築いていくことができます。

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