機械学習エンジニアとしてのキャリアを追求する上で、資格取得は重要な一歩です。適切な認定試験やスキル証明を取得することで、自己成長を促進し、業界内での競争力を高めることが可能となります。
機械学習エンジニアに役立つ資格には、大手クラウドプロバイダーの提供するものや専門団体が主催するものがあります。例えば、Amazon Web Services(AWS)の「AWS Certified Machine Learning – Specialty」や、Microsoft Azureの「AI-102: Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution」など、クラウドプロバイダーが提供する専門的な機械学習資格は、実務経験と知識の深化に役立つでしょう。
また、データサイエンスや機械学習の専門団体が主催する資格もあります。例えば、日本ディープラーニング協会が提供する「G検定」「E資格」など、幅広い知識や実践力を証明できる資格もあります。
この記事では、機械学習エンジニアにおすすめの資格を紹介し、各資格の特徴や難易度、取得のメリットについて詳しく解説していきます。資格取得を通じて、自身のスキル向上とキャリアアップを目指す方々の参考になれば幸いです。
G検定
JDLA Deep Learning for GENERAL、通称「G検定」は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する機械学習およびディープラーニングの知識・スキルを評価する資格試験です。G検定の「G」は「General」の頭文字であり、ジェネラリストとして一般的なAIの知識を測定する試験です。
そのような背景からG検定の試験範囲では、機械学習の基本的な概念や手法に関する理解を問う問題から、実践的な応用力を測る問題まで幅広い内容が含まれています。初心者から中級者向けの試験であり、ビジネスでのAI知識を証明する上で有益な資格となっています。
試験名 | G検定(ジェネラリスト検定) |
試験時間 | 120分 |
出題形式 | 知識問題(多肢選択式) |
出題数 | 200問程度 |
実施場所 | オンライン(自宅受験) |
開催頻度 | 年6回開催(1月、3月、5月、7月、9月、11月) |
費用 | 一般:13,200円(税込) 学生:5,500円(税込) |
提供団体 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA) |
E資格
JDLA Deep Learning for ENGINEER、通称「E資格」は、一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催するディープラーニング技術に関わるエンジニアとしてのスキルを評価する資格試験です。E資格の「E」は「Engineer」の頭文字であり、G検定よりもさらにディープラーニングの実践的なスキルと知識を測定する内容です。受験にはJDLA認定プログラムの受講が必要になります。
E資格は、ディープラーニングの基本的な理論だけでなく、実際のAIプロジェクトにおいて必要とされる応用力や実装力を評価します。モデル構築やトレーニング、データ前処理、ハイパーパラメータの調整など、実践的なスキルを求められるエンジニア向けの試験といえます。
試験名 | E資格(エンジニア資格) |
受験資格 | JDLA認定プログラムの修了(試験日の過去2年以内) |
試験時間 | 120分 |
出題形式 | 知識問題(多肢選択式) |
出題数 | 100問程度 |
実施場所 | 各地の指定試験会場にて受験 |
開催頻度 | 年2回開催(2月、8月 頃) |
費用 | 一般:33,000円(税込)学生:22,000円(税込) |
提供団体 | 一般社団法人日本ディープラーニング協会(JDLA) |
AWS Certified Machine Learning – Specialty
AWS Certified Machine Learning – Specialtyは、Amazon Web Services(AWS)が提供する機械学習に特化した認定試験です。この試験は、AWSクラウド上での機械学習の知識とスキルを評価するものであり、機械学習エンジニアやデータサイエンティストのスキル向上を目指す方を対象としています。
この試験では、機械学習の基本原則から、AWSの機械学習サービス(SageMakerなど)の活用、データの前処理、特徴量エンジニアリング、モデルの構築、評価、デプロイまでの知識や実践的なスキルが問われます。合格することで、AWSクラウド上での機械学習プロジェクトにおける能力を証明することができます。
試験名 | AWS Certified Machine Learning – Specialty |
試験時間 | 180分 |
出題形式 | 複数選択または複数応答のいずれか |
出題数 | 65 個の質問 |
実施場所 | Pearson VUE テストセンターまたはオンラインでの監督付き試験 |
費用 | 300 USD |
提供団体 | Amazon |
Professional Data Engineer
Professional Data Engineerは、Google Cloudが提供するデータエンジニアリングに特化した認定試験です。この試験は、Google Cloud Platform(GCP)上でのデータエンジニアリングの知識とスキルを評価するものであり、データエンジニアやデータサイエンティストのスキル証明を目指す方を対象としています。
この試験では、データの収集、処理、ストレージ、分析、可視化などのスキルが問われます。GCPのデータサービス(BigQuery、Dataflowなど)の活用、データパイプラインの構築、セキュリティ、品質管理などに関する知識が必要です。合格することで、GCP上でのデータエンジニアリングの専門的な能力を証明することができます。
試験名 | Professional Data Engineer |
試験時間 | 120分 |
出題形式 | 多肢選択(複数選択)式 |
出題数 | 50〜60問 |
実施場所 | テストセンターでオンサイト監視試験または遠隔監視オンライン試験 |
費用 | 200 USD |
提供団体 |
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentals
AI-900: Microsoft Azure AI Fundamentalsは、Microsoft Azureが提供する人工知能(AI)に特化した基礎的な資格試験です。この試験は、Microsoft AzureのAIサービスを活用した基本的な知識を評価するものであり、AIに興味を持つ方やエンジニアリングのスキルを向上させたい方を対象としています。
この試験では、AIの基本的な概念、AzureのAIサービス(Cognitive Services、Azure Machine Learningなど)の活用、機械学習の基本、自然言語処理、コンピュータビジョンなどに関する知識が問われます。合格することで、Microsoft Azureを活用したAIソリューションの基本的な知識を証明することができます。
試験名 | Microsoft Azure AI Fundamentals |
試験時間 | 45 分 |
出題数 | 40問前後 |
実施場所 | Pearson Vue を使用してスケジュールを設定 |
費用 | ¥12500 JPY |
提供団体 | Microsoft |
Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate
Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate(AI-102)は、Microsoft Azureが提供するAIソリューションの設計と実装に特化した専門資格試験です。注目の集まる生成AIも試験範囲に含まれています。この試験は、Azure上でのAIソリューションの設計、構築、実装に関する知識とスキルを評価するものであり、AIエンジニアやソリューションアーキテクトを対象としています。
この試験では、AzureのAIサービスを活用したソリューションの設計、機械学習モデルの構築、データの前処理、モデルのデプロイ、モデルの監視とトラブルシューティングなどのスキルが問われます。合格することで、Microsoft Azure上でのAIソリューションを設計・実装する能力を証明することができます。
試験名 | Microsoft Certified: Azure AI Engineer Associate |
試験時間 | 100 分 |
出題数 | 40問前後 |
実施場所 | Pearson Vue を使用してスケジュールを設定 |
費用 | ¥21102 JPY |
提供団体 | Microsoft |
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