CDO(Chief Data Officer)とは?役割・設置事例

CxO

チーフデータオフィサー(Chief Data Officer:CDO)は、組織内でデータに関する戦略的な方針や方向性を決定し、データ資産を最大限に活用する責任を持つ役職です。データの価値が高まるなか、金融やIT、小売、ヘルスケア業界、メディアなどさまざまな業界でデータガバナンスの重要性が議論されています。

この記事では、そんなチーフデータオフィサーの役割やチーフデジタルオフィサー、チーフデザインオフィサーとの違い、国内でのCDO設置事例について紹介します。

CDO(Chief Data Officer)とは

Chief Data Officer(チーフデータオフィサー)という意味でのCDOは、組織のデータに関する戦略的な方針や方向性を決定し、データ資産を最大限に活用する責任を持つ役職です。日本語では「最高データ責任者」とも呼ばれます。近年、データが企業にとって重要な経営資源として認識されるようになり、CDOの役割もますます重要になりました。

CDO(Chief Data Officer)の役割

CDOの主な役割として、以下が挙げられます。

データ戦略の策定

経営目標に合わせたデータ戦略や実行計画の立案を担当します。これにはデータの収集、保管、分析、活用に関する方針や手法の策定が含まれます。

データガバナンスの確立

データの正確性、信頼性、セキュリティを確保するためのガバナンスを構築します。統制の範囲として、データ品質、アクセス制御、コンプライアンス管理などがあげられます。

データ利活用の推進

データの分析を通じて、ビジネスに価値をもたらす洞察を見出し、意思決定をサポートします。また、ビジネスインテリジェンスへの戦略的な投資を推進します。

データ文化の育成

組織全体にデータドリブンなカルチャーを浸透させるための取り組みをリードします。データに基づく意思決定の重要性を教育し、データ利用のスキル向上を促進する取り組みです。

複数のCDO、専門領域の違い

CxOの種類が細分化するにつれ、同じ頭文字を持つがゆえに混同されやすいポジションがうまれてきました。同じCDOを冠する役職として「Chief Data Officer」「Chief Digital Officer」「Chief Design Officer」の3つがあります。

それぞれの役職は、組織内で異なる専門領域に焦点を当てており、独自の責任と役割を担っています。Chief Data Officerはデータに関する戦略をリードし、Chief Digital Officerは組織のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進し、Chief Design Officerはクリエイティブの品質を向上させる戦略を策定します。

以下で、各ポジションの違いについて詳しく説明します。

Chief Data Officer(チーフデータオフィサー)

チーフデータオフィサーは、データに関する戦略的な方針や方向性を決定し、データ資産を最大限に活用する責任を持つ役職です。
データの収集、保管、分析、活用に関する戦略の策定や実行、データの品質管理、セキュリティ、ガバナンスの確保が主な責務となります。

Chief Digital Officer(チーフデジタルオフィサー)

チーフデジタルオフィサーは、組織のデジタル化戦略全般をリードする責任を持つ役職です。
デジタル技術の導入、デジタルプロセスの改善、顧客体験の向上など、デジタルイニシアティブ全般を監督します。

チーフデータオフィサーはデータ戦略とデータガバナンスに焦点を当て、データを中心とした戦略的なリーダーシップを提供します。一方で、チーフデジタルオフィサーはデジタル化全体を包括し、テクノロジーやプロセス、顧客体験など、より広いデジタル関連の取り組みを担当します。

Chief Design Officer(チーフデザインオフィサー)

チーフデザインオフィサーは、組織内でデザインに関する戦略的な指針を策定し、製品やサービスのデザインにおける品質や体験を向上させる役割を担います。
製品やサービスのデザイン戦略の策定や実行、デザインプロセスの改善、デザインチームのリーダーシップが主な責務です。

要するに、チーフデータオフィサーはデータに関する戦略的な指針を策定し、データ資産の活用を最大化する責任を持ちます。一方で、チーフデザインオフィサーはデザインに焦点を当て、製品やサービスのデザイン戦略を策定し、顧客体験を向上させる役割を果たします。

Chief Data Officer(CDO)の設置事例

日本国内の企業におけるChief Data Officerの事例をいくつか紹介します。

株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ

2014年にCDOを設置し、グループ全体のデータマネジメントと高度なデータガバナンスの実現に取り組んでいます。

イオン株式会社

2021年3月にデータイノベーションセンターを設置し、イオングループ約300社に対するデータ活用の推進や、新たなビジネスモデルの創出に取り組んでいます。

株式会社GA technologies

2024年3月より奥村純氏が執行役員CDO(Chief Data Officer)に就任し、不動産業でのデータ活用を推進しています。

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