BIコンサルタントとは?なるには?業務内容・スキル・年収・資格・将来性

コンサルタント

BIコンサルタントは、ビジネスインテリジェンス(BI)の専門家であり、データを活用して意思決定者が下す判断をサポートする役割を担います。そして顧客への最適な提案をおこなうBIコンサルタントになるためには、データ分析や可視化のスキルに加え、ビジネス理解や問題解決能力が求められるのです。

この記事では、そんなBIコンサルタントの仕事内容やスキル、給料相場、おすすめの資格、就職や転職のキャリアパス、将来性について、わかりやすく解説します。

  1. BIとは
  2. BIコンサルタントとは
    1. BIコンサルタントの役割
      1. 課題分析・要件定義
      2. 戦略立案・コンサルティング
      3. 運用支援・教育
      4. BIエンジニアとの違い
    2. BIコンサルの年収と給料相場
      1. BIコンサルタントの給料目安
    3. BIコンサルタントのやりがい
  3. BIコンサルタントの業務内容
    1. ビジネスの把握
      1. BIツールの選定
    2. BIプロジェクトの推進
      1. 目的の明確化
      2. データ収集と整備
      3. 可視化とレポート作成
    3. 体制構築とトレーニング
      1. 評価と改善
      2. 社内文化の醸成
  4. BIコンサルタントに必要なスキル
    1. BIの実務経験
      1. BIツールの知識
    2. 問題解決能力
      1. 要因特定
      2. 仮説構築力
      3. 業務知識
    3. コミュニケーション力
  5. BIコンサルタントに役立つ資格
    1. 情報処理技術者試験
    2. 統計検定
    3. Microsoft 認定: Power BI データ アナリスト アソシエイト
  6. BIコンサルタントに向いている人
    1. すぐれた観察力
    2. 分析をビジネスに結びつけられる
    3. リーダーシップがある
  7. BIコンサルタントになるには
    1. BIコンサルタントになる方法
      1. 新卒でBIコンサルタントとして採用される
      2. 中途でBIコンサルタントとして採用される
        1. BIエンジニアから
        2. SEやプログラマーから
        3. データ分析者から
        4. 企画職から
      3. 入社後にキャリアチェンジする
    2. BIコンサルタントの就職先
      1. コンサルティングファーム
      2. SIer (システムインテグレーター)
      3. データ分析/デジタル支援会社
      4. BIベンダー
  8. BIコンサルタントの将来性

BIとは

BIとは、Business Intelligence(ビジネスインテリジェンス)の頭文字を省略した言葉で、組織内に蓄積されたデータを活用して意思決定をサポートするプロセスやテクノロジーのことを指します。BIという概念そのものは1960年代から存在しましたが、1990年代以降にインターネットが普及し、2000年代においてCRMや基幹システム、DWHなどのデータ基盤が発展するに伴い、BIやBA(Business Analytics)というキーワードに注目が集まるようになりました。

さらに、セルフサービス型のBIツールが生まれたことで、経営者やマネージャー、その他の従業員が自らツールを操作して、事業の状況を迅速に把握することに役立っています。KGI/KPIの進捗や生産性、費用対効果などを読み取り、将来の戦略や投資の判断をおこなうことも可能です。

BIを導入する際は、さまざまなデータソースからデータを収集し、統合して一つの情報源にまとめます。データの品質を確保し、信頼性のある情報を提供することが重要です。そして、収集したデータを可視化し、ダッシュボードやレポートなどの形式にして視覚的に表現します。これにより、データの意味を理解しやすくし、意思決定をサポートします。また、迅速な意思決定を支援するBIシステムではリアルタイムにデータを提供する場合もあります。

BIは、企業の成長や競争力の向上に大きく寄与するツールであり、データの重要性が高まる現代のビジネス環境において不可欠な要素となっています。

BIコンサルタントとは

BIコンサルタントは、ビジネスインテリジェンス(BI)分野に特化してノウハウの提供や導入支援、課題解決を提供する専門家です。彼らは顧客や組織に対して、ビジネスアナリティクス(BA)やBIシステムの活用方針の作成、製品選定、品質やスケジュールの管理、トレーニングや教育プログラムの提供などを行います。BIコンサルタントは、意思決定に役立つデータを可視化する仕組みを作り出して、データドリブンな組織文化の醸成に貢献します。

BIコンサルタントの役割

BIコンサルタントの役割は、豊富な知見にそって顧客の課題を指摘したり、業務上の問題やリスク、非効率な点などを抽出して、BI導入の最適解を導き出すことです。また、すでにBIを実務で使用している組織においても保有するデータをさらに有効活用できるように、事業の構造や業務フローを調査して、データ活用の余地を診断し、BIツールを用いた業務の改善箇所を探索するなどして支援を行います。ユーザーニーズの把握や仕様の整理、データを収集、蓄積、可視化するフローの策定、レポートの設計、導入計画の考案、トレーニング内容の検討など、プロジェクトに応じて支援内容は様々ですが、顧客がデータを効果的に活用できる状態を作るためのアドバイザーという立ち位置は共通しています。

具体的には、以下の役割を担います。

課題分析・要件定義

クライアントの事業課題や目標をヒアリングし、BI導入の目的を明確化します。
必要なデータの種類や形式、分析内容などを整理し、BIシステムの要件定義を行います。

戦略立案・コンサルティング

データ分析に基づいた経営戦略の立案を支援します。
具体的な施策の提案や、効果測定なども行います。

運用支援・教育

導入したBIシステムの運用方法や、データ分析のノウハウをクライアントに教育します。
定期的なメンテナンスや、システム改修なども支援します。

BIエンジニアとの違い

BIコンサルタントとBIエンジニアの違いは、役割と職務内容にあります。BIコンサルタントはビジネス要件を理解し、データを活用した戦略的な意思決定をサポートします。ビジネスのニーズを把握し、データを分析・可視化するスキルやコミュニケーション能力が重要です。一方、BIエンジニアはデータ処理やBIツールの開発・運用を担当します。プログラミングスキルやデータベースの知識が必要で、技術的な側面に重点を置きます。両者は協力して、ビジネスに価値を提供するデータ活用を実現します。

BIコンサルの年収と給料相場

BIコンサルタントの年収は、経験年数やスキル、勤務地、所属する企業などによって異なりますが、初級レベルでの年収は400から600万円程度が相場とされています。役職や肩書きとともに年収は上昇し、シニアレベルでは800万円以上も十分に目指せる水準です。

BIコンサルタントの給料目安

  • コンサルタント:500~700万円
  • シニアコンサルタント:700~1,000万円
  • マネージャー:1,000万円~

上記は、一般的なBIコンサルタントの給料相場ですが、コンサルティングファームによっては初級レベルであるアナリストやアソシエイトでも、年収600万円程度からスタートする場合もあります。

BIコンサルタントのやりがい

BIコンサルタントのやりがいとして、事業に直接貢献できる点があげられます。BIの仕組みを作る仕事を通して、経営に関するさまざまなインサイトを提供し、経営者やマネージャーの意思決定をサポートすることで、企業の業績向上に影響を与えることができます。また、さまざまな業界や立場のクライアント担当者との仕事を通じて、多様なビジネスの課題に取り組むことができるため、自らの専門性や知識を高める機会も豊富です。それらが自己成長や専門性の向上につながることで、やりがいを感じることができるでしょう。

次に、BIという分野のおもしろさもあります。データから得られる洞察やトレンドを見つけることが好きな人もいますし、業務フローや事業をモデル化して考えることをやりがいと捉えることもあります。BIツールを使ってデータの可視化を自動化したり、直感的に理解できるダッシュボードやレポートを作成することで、人の役に立つ点をやりがいに思うこともあるかもしれません。

さらに、BIは日々進化しており、新たなテクノロジーや手法を取り入れることで、より高度な分析や予測が可能になります。データを扱う楽しさや挑戦があり、自らのスキルや知識を成長させることができます。ビジネスの成果に貢献することで、喜びや達成感を感じることができるでしょう。さらに、さまざまな業界や分野においてBIの活用が広がっており、多様な仕事やプロジェクトに取り組むことができる点も魅力です。BIはデータの力を最大限に引き出し、ビジネスに革新をもたらすことができる魅力的な分野です。

BIコンサルタントの業務内容

ここからは、BIコンサルタントの業務についてみていきましょう。具体的な業務の内容はプロジェクトによって異なりますが、一般的に以下のような内容があげられます。

ビジネスの把握

ヒアリングや業務分析、調査など顧客とのコミュニケーションを通じて、ビジネスの構造や目標を理解し、データ分析によって解決すべき課題や改善対象となる箇所を特定します。事業部門や分析担当者などのニーズに基づいて、データ分析の方向性や目標を定義し、BIの方向性を策定します。

  • 事業内容、課題、目標をヒアリング
  • 経営層、部門責任者、現場担当者など、様々な関係者と面談
  • 社内資料、アンケート調査、インタビューなどを実施
  • 競合企業や業界動向の分析
  • データ分析の必要性と目的を明確化

初期フェーズでは、クライアントの現状を深く理解し、BI導入の目的を明確化することが重要です。そのため、幅広い情報収集と関係者との密接なコミュニケーションが求められます。

BIツールの選定

クライアントのニーズに合致したBIツールを選定することが重要です。機能性、使いやすさ、価格、サポート体制などを比較検討し、最適なツールを選びましょう。

  • 要件に基づいて、適切なBIツールを提案
  • ツールの機能、価格、サポート体制などを比較検討
  • デモやトライアルを通して、使いやすさを検証
  • 導入後の運用コストも考慮

技術要素の選定は、プロジェクトの成否を左右する重要な要素です。利用者の要件にあうツールでダッシュボードを開発することで、BI導入後の定着を向上できます。

BIプロジェクトの推進

BIツール導入は、企業にとってデータドリブン経営を実現するための重要な取り組みです。BIコンサルタントは、プロジェクトの成功に向け、以下の業務を推進します。

目的の明確化

BIツールを導入する前に、なぜ導入するのか、何を達成したいのかを明確にすることが重要です。漠然と「データを可視化したい」というだけでは、導入効果を測定しづらく、失敗に繋がる可能性があります。

データ収集と整備

BIで可視化する元となるデータを収集し、整備するデータフローについて提案します。必要なデータの種類や量に応じてデータ基盤の構築や前処理の要件を整理します。品質向上のためのデータの統合やクリーニングも行います。

  • 必要なデータを収集するための方法を検討
  • 既存システムからのデータ抽出
  • 外部データの収集
  • データの加工・クレンジング
  • データマートやデータウェアハウスの構築

BIツールでデータを分析するためには、必要なデータを整備し、分析に使える状態で保管する必要があります。データの質や整合性が分析結果に大きく影響するため、このフェーズは非常に重要です。

可視化とレポート作成

収集したデータをBIツール上の管理画面に実装し、ビジネスに有益な洞察を得るためのレポートやダッシュボードを作成します。すでにあるBIの問題点やデザインを改善し、よりわかりやすく提供することもあります。

  • BIツールの導入・設定
  • データソースとの接続
  • 分析レポートやダッシュボードの作成
  • 運用マニュアルの作成

このフェーズでは、BIツールを実際に稼働できる状態まで構築し、利用者に使用方法をレクチャーします。円滑な導入と運用に向けて、丁寧なサポートが必要です。

体制構築とトレーニング

BIツールを活用できる組織体制の構築にむけた内製化の支援や運用サポートを実施して、顧客の社内で働くスタッフが効果的にツールを駆使してレポーティングを実施できるようトレーニングを提供します。

  • BIツールの選定・導入
  • データ分析のための体制構築
  • データ分析担当者の育成
  • ユーザー向けのトレーニング
  • 運用マニュアルの作成

BIツールを導入し、データを活用していくためには、組織としてデータ分析の体制を構築し、関係者を教育することが重要です。

評価と改善

BIの実装後は、あらかじめ定めた評価項目にそって導入の効果を測定し、必要に応じて運用面の調整やレポートの改修を提案します。データ活用の効果を定量的に評価することで、継続的な運用をサポートします。

  • BIツールの利用状況を分析
  • ダッシュボードやレポートの活用状況を評価
  • 課題や改善点を抽出し、提案
  • 必要に応じて、追加的なトレーニングやツール改修を行う

BI導入の効果を検証し、継続的に改善していくことが重要です。定期的なモニタリングを行い、クライアントのニーズに柔軟に対応する姿勢が求められます。

社内文化の醸成

データ活用を促進するためには、社内にデータドリブンな意思決定文化を醸成することが重要です。経営層だけでなく、全社員がデータを活用することの重要性を理解し、積極的にデータ分析に取り組む環境を作る必要があります。

  • データドリブン経営の重要性を社内に浸透させる
  • データ分析を積極的に活用する文化を醸成
  • 従業員のデータ可視化スキルを向上させる

BIツールを導入しても、ユーザーが使いこなせなければ、意味がありません。必要に応じてユーザー部門向けのトレーニングを実施し、ツールの使用方法やデータ分析の基礎知識などを教育する必要があります。

BIコンサルタントに必要なスキル

BIコンサルタントに求められるスキルについて、以下で説明します。

BIの実務経験

BIのプロフェッショナルの立場で顧客に価値を提供するために、ビジネスインテリジェンス(BI)分野で業務に従事した経験が求められます。データ収集・整備、分析、可視化、レポート作成などBIツールを利用した一連のプロセスに精通していることが重要です。直接的にBIプロジェクトでの経験がなくとも、データ分析やデータ処理など周辺分野での実績が、クライアントの信頼につながることもあります。

BIツールの知識

BIツールの導入や運用を行うため、Tableau、Power BI、Looker、QlikViewなどBIツールの知識が必要です。データの可視化やダッシュボード作成、レポート設定などのスキルが求められます。

問題解決能力

BIコンサルタントとしてクライアントワークを手がけていく上で、問題解決能力が必要です。顧客のビジネスや市場環境などを注意深く観察し、問題を引き起こす要因を特定したうえで、有益な解決策を提供する能力が求められます。

要因特定

問題を理解するために、関連するデータや情報を収集して調査を行います。問題の背景や要因、影響範囲を把握するために、事実を集める作業が含まれます。

仮説構築力

ビジネスの課題解決には、手元にあるいくつかのヒントから仮説を立てる能力が必要です。数ある選択肢から有望な仮説を選別し、分析や評価によって検証することで、顧客に有益な洞察を提供できます。仮説構築のスキルは、コンサルティングの実務に欠かせません。

業務知識

課題を解決するうえで、業務の基本的な知識や業界に関する理解が必要です。顧客のビジネスを本質から理解し、データを活用する枠組みを提案するためにも、最低限の知識を短期間でキャッチアップする調査スキルが求められます。

コミュニケーション力

BIコンサルタントは、顧客の担当者や経営者、プロジェクトチーム内の技術者や協力会社のスタッフなど幅広いメンバーとのコミュニケーションが必要となる職種です。プロジェクトでは、ユーザーのニーズを正確に理解し、要件や仕様にまとめるとともに、関係者に対して課題や進捗状況を分かりやすく伝えることが求められます。また、チーム内のMTGでファシリテーションを積極的に行い、意思疎通を図ることもプロジェクトを成功に導くために重要なスキルです。

これらのスキルを持つBIコンサルタントは、クライアントのビジネスに価値をもたらし、成果を上げることができるでしょう。

BIコンサルタントに役立つ資格

次に、これからBIコンサルタントを目指す方におすすめの資格やBIに関する知識を評価する検定についてみていきましょう。

情報処理技術者試験

情報処理技術者試験は、IT技術者としての「知識・技能」が一定以上の水準にあることを認定する国家試験です。日本の情報産業においてよく知られた資格試験の一つであり、経済産業省所管の独立行政法人である情報処理推進機構が試験事務を行っています。これからBIコンサルタントを目指す方が、IT分野の基礎的な知識を身につけるのに役立つでしょう。

統計検定

統計検定は、統計学に基づく知識やスキルを評価するための資格試験です。運営については、一般財団法人
統計質保証推進協会が実施をおこない、一般社団法人 日本統計学会が認定をおこなっています。統計検定には4級から1級までがあり、レベルに応じた統計の活用力を評価します。BIコンサルタントだけではなく、データエンジニアやデータアナリストにとっても有用な資格となります。

Microsoft 認定: Power BI データ アナリスト アソシエイト

この資格は、Microsoft Power BIを使用したデータ分析やデータ可視化のスキルを評価するものです。Power BIは市場での評価が高いビジネスインテリジェンスツールであり、ビジネスの意思決定に活用されています。Power BIを熟知し、データ分析において高度なスキルを持つことができる資格として、データアナリストやBIコンサルタントにとって有益です。

これらの資格は、データ関連の職種でのスキルや知識を証明するのに役立ちます。就職やキャリアアップの際に、自身の能力をアピールするために取得することがおすすめです。

BIコンサルタントに向いている人

BIコンサルタントに向いている人の特徴は以下のようなものです。

すぐれた観察力

観察力とは、周囲の状況や物事に対して細かく注意深く目を向け、情報や変化を捉える能力のことです。観察力の高い人は、環境や人の表情、行動などから様々な情報を読み取り、洞察力や理解力が高まります。この力は日常生活だけでなく、BI導入にも役立ちます。問題の発見や解決、効果的な意思決定に重要な役割を果たします。

分析をビジネスに結びつけられる

データを分析し、洞察を得るための統計的手法やデータ処理技術に強い関心を持ち、データから有益な情報を引き出すことも重要ですが。それ以上に、ビジネスの仕組みや業界に対する理解が深く、ビジネス課題をデータと結びつけて解決する能力が重視されます。クライアント担当者とのコミュニケーションが円滑に行える、ユーザーの要件を正確に理解し、適切な解決策を提案できるといった素養があれば適正は高いでしょう。

リーダーシップがある

BIプロジェクトの計画や進行管理を適切に行い、タスクを効率的に遂行する必要があります。その点、リーダーシップのある人は、自らのビジョンや目標を明確に持ち、他の人を引っ張っていく力を持っています。チームや組織を統率し、メンバーのモチベーションを高めることができるだけでなく、適切な指導やサポートを提供します。また、協力と協調の精神を持ち、メンバーとのコミュニケーションを大切にします。

これらの特徴を持つ人は、クライアントのビジネス課題を解決し、データ活用による価値を提供するBIコンサルタントとして活躍できるでしょう。

BIコンサルタントになるには

それでは、BIコンサルタントになるにはどのような方法があるのでしょうか。以下で詳しくみていきましょう。

BIコンサルタントになる方法

新卒でBIコンサルタントとして採用される

大学や専門学校で情報処理やデータ分析に関連する学問を学び、コンサルティングファームやSIer、BIベンダーなどにBIコンサルタントとして就職する方法です。新卒採用では知識や経験よりもポテンシャルを持つ人材を求める傾向があります。ただし、新卒募集の求人でBIコンサルタント職は少ないため、希望の職種で内定が出なかった場合は、将来的にBIコンサルタントを目指すとして、ファーストキャリアでは、コンサルタントやSE、エンジニア、データ分析職などの関連職種で就職するのが良いでしょう。

中途でBIコンサルタントとして採用される

データ分析やビジネスインテリジェンス(BI)の経験を持つ人が、コンサルティングファームやSIerが募集する中途採用のBIコンサルタント求人に応募して転職する方法です。第二新卒や既卒など20代の若手採用枠を除き、中途採用では実務経験や専門知識が重視されます。そのため、このパターンでも基本的にはBIの実務経験やITコンサルティング、システム開発などのスキルは求められるケースが多いでしょう。

中途採用で未経験からBIコンサルタントになるパターンとして代表的なのは以下の4つです。

BIエンジニアから

BIエンジニアからBIコンサルタントへのステップアップは多くみられるキャリアパスです。既に技術者としてBIツールの実装やデータ処理に携わっているため、ビジネスのニーズとデータの関連性を理解しており、バックグラウンドとしては申し分ないでしょう。

SEやプログラマーから

システムエンジニアやプログラマーはデータ処理や分析に携わる機会もありますし、直接データ分析を扱わなくともITプロジェクトで要件定義や詳細設計の経験があれば、コンサルティングとの親和性は高いです。

データ分析者から

データアナリストやマーケターとして、データ分析の経験を持つ人は、ビジネスとデータの連携に強く、データ活用のアドバイザーとしてBIコンサルタントになることができます。

企画職から

経営企画や事業企画などの役割でビジネスの企画や戦略に携わっており、事業会社でBIの導入や活用の経験を持つ人も、BI実務の経験者として能力を評価される傾向があります。

入社後にキャリアチェンジする

他の職種で経験を積んだ後、BIコンサルタントに転身する方法です。BIコンサルタントへのキャリアパスとして、このパターンも多いです。コンサルティングファームやSIerでは総合職として新卒で入社後に配属が決まったり、ジョブローテーションで部署異動となりBIの部署ではたらくこともよくあります。また、中途入社でプログラマーやSEからBIエンジニアとなり、BIコンサルタントにキャリアチェンジしたり、データアナリストで入社後に、BIスペシャリストとなり、その後BIコンサルタントへというキャリアの変遷も描けるでしょう。

BIコンサルタントの就職先

コンサルティングファーム

一般的なコンサルティングファームは経営戦略や業務プロセスの改善に加えて、データ分析やビジネスインテリジェンスの領域にも進出しています。BIコンサルタントとして、クライアントのビジネス課題に対してデータ活用の提案やアドバイスを行います。具体的には、デロイトトーマツコンサルティング、アクセンチュア、PwCコンサルティングなどのファームが該当するでしょう。

SIer (システムインテグレーター)

システムインテグレーターは、大規模なITシステムの構築や運用を担当しますが、データ分析やビジネスインテリジェンスのニーズが高まる中で、BIコンサルタントのポジションも増えています。具体的には、NTTデータ、NEC、富士通、日立などの会社が該当するでしょう。

データ分析/デジタル支援会社

データ分析会社や広告代理店などのデジタル支援企業が、BIコンサルティングを提供する場合もあります。データの分析・可視化に特化した企業では、マーケティングなどの領域でキャリアを積むことができます。具体的には、電通デジタル、ブレインパッドなどの会社が該当するでしょう。

BIベンダー

SAPやウイングアーク1stなどBIツールを提供するベンダー企業も、自社製品の導入や活用支援のためにBIコンサルタントを採用しています。製品に関する専門知識を持ったコンサルタントが求められます。

BIコンサルタントの将来性

データ活用の有効性が世の中に浸透していく中で、BIを導入してビジネスの状況を即時に把握したいという需要は今後もますます伸びていくでしょう。BIコンサルタントはそのようなデータビジュアライゼーションの啓蒙活動やベストプラクティスの収集に重要な役割を果たします。

また、データ分析を支える技術の進化によりBIツールやデータ処理の標準的な構成は日々変化しています。BIコンサルタントは常に最新の技術に対応し、効果的なデータ分析と可視化を提供する能力が求められます。

そして、企業はデータ活用を強化するためにBIのエキスパートによるサポートを求めます。BIコンサルタントはビジネスの成長戦略に寄与し、データを活用した効果的な戦略立案を行うため、企業内でより重要な立ち位置になるでしょう。

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