データオーナーとは、組織におけるデータの利用を承認し、関連する業務に責任を持つ役割です。データを管理する担当者を任命し、データの品質を向上するとともに適切な利用を推進します。データに対する最終的な決定権を持ち、法令遵守やセキュリティなどデータガバナンスに対する責任も担います。
この記事では、そんなデータオーナーの役割や向いている人、データマネジメントの職種をわかりやすく解説します。
データオーナーとは
データオーナーとは、その名の通りデータのオーナー（Owner）、つまり所有者であることを示す言葉です。データの収集、整理、保管、更新、削除などのフローに対して承認を行う権限を有し、データの品質向上と適切な利用を担保します。つまり、データに関する最終的な決定権を持ち、データの監督と管理を行います。単に保持するデータの所有権という意味合いで、データが帰属する企業や組織を指して使われることもありますが、一般的には、データ要件やデータの使用に対して責任を持つ個人を意味します。
データオーナーの役割
データオーナーは、データの所有者として振舞います。保有するデータの利用について意思決定の権限を持つ役割といえます。組織内でデータの管理と品質向上の責任を負い、データの有効な活用を推進することでビジネスやプロジェクトの成功に貢献します。
以下は、データオーナーの主な役割と責任についての説明です。
データ管理
データオーナーは、データの管理者としてデータスチュワードを任命し、データの収集、整理、保管、更新、削除などの方法を承認します。また、データの利用目的や利用条件、範囲などを定義し、適切な使用を確保します。
データ品質
データ品質の維持または向上に取り組みます。データの精度、完全性、一貫性を確保するために、定期的な更新・重複や欠損、エラーの検出・修正、適切なデータ規則の導入などを行います。
セキュリティとプライバシー
データオーナーはサイバーセキュリティ対策と個人のプライバシーに配慮し、適切なアクセス制御や暗号化、データの保護策を実施します。
データ連携
データオーナーは他のチームや関係者と連携し、データの利用や共有に関するルールやガイドラインを策定します。データの利用を容易にし、同時にセキュリティや規制の遵守を確保します。
ニーズへの適合
データオーナーはデータユーザーのニーズに合わせてデータセットの更新や追加、変更を行い、ビジネス上の課題や機会に対応します。
問題解決と改善
データに関連する問題を特定し、改善策を導入します。データ品質の向上、データプロセスの最適化などを行い、データの価値を最大化します。
データガバナンス
データガバナンスは、組織がデータの管理と利用を正しく行うための枠組みです。データの適切な利用権限、内部統制、コンプライアンス面の基準を確保し、データが不正に使用されることがないようにポリシーやガイドラインを策定します。法律や規制、市場環境の変化にあわせた改定も実施します。
データオーナーは、データ駆動型の意思決定や戦略立案に重要な役割を果たします。組織内でのデータの信頼性、安全性、効果的な利用を確保するために欠かせない存在です。
データオーナーに向いている人
ここからはデータオーナーへの適性についてみていきましょう。具体的に、以下のような特性を備えた人物が考えられます。
データに対する理解と業務知識
データオーナーは、対象となる事業ドメインや業務について深い理解と専門知識を持っていることが重要です。データの示す意味や特性を理解し、そのデータがどのように収集・処理・活用されるかを把握している必要があります。
責任感とリーダーシップ
データオーナーはデータに対する責任を持ち、データの管理や品質向上に積極的に取り組む姿勢が求められます。データマネジメントの権限から、データに関する戦略的な意思決定を行うこともあります。
チームワーク
データマネジメントは複数のステークホルダーと連携して行われるため、チームワークが重要です。他のデータ関連の役割と協力し、共通の目標に向けて協力して取り組める人柄が望ましいでしょう。
データオーナーにはデータに対する責任があり、組織のデータマネジメントにおいて重要な役割を果たすため、適切なスキルや特性を備えた人物が選ばれることが重要です。
データマネジメントで関連する役割/職種
ここからは、データ管理に必要な役割及び職種について説明します。
データユーザー
データユーザー(Data User)は、組織内でデータを利用する人々のことを指します。彼らはデータを分析して意思決定を行ったり、ビジネス上の問題を解決したりする際にデータを活用します。データユーザーはデータ分析やデータ可視化などのスキルを持ち、データマネジメントチームから提供されるデータを効果的に活用して組織の目標達成に貢献します。
データオーナー
データオーナー(Data Owner)は、特定のデータセットやデータソースに対して責任を持つ役割です。データオーナーはデータの収集、整理、保管、更新、削除などの管理を行うデータスチュワードを任命し、データの品質向上と適切な利用を担保します。データオーナーはデータマネジメントプロセスにおいて最終的な決定権を持ち、データに関する権限と責任を担います。
データスチュワード
データスチュワード(Data Steward)は、データオーナーのサポート役として、データの詳細な管理と品質向上に取り組む役割です。データスチュワードはデータ品質の監視、データ品質の向上策の実施、データエントリの標準化、データ品質の問題の解決などを行います。彼らはデータオーナーと協力して、データの価値と信頼性を高める役割を果たします。
チーフデータオフィサー
チーフデータオフィサー(Chief Data Officer、CDO)は、組織のデータマネジメントにおけるトップリーダーです。最高データ責任者として戦略立案とプロジェクトの実施を統括します。データの適切な利用に必要なポリシーやガイドラインの策定、法規制の遵守などを監督し、データの価値を最大化するために活動します。CDOはデータマネジメントチームや組織の重要なステークホルダーと連携し、データドリブンな組織文化を促進します。
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